鬼子母神はザクロを持っているのですが、どういう関係があるのでしょうか。鬼子母神のお寺ではザクロの木が植えてあったり、ザクロの絵が書かれている絵馬もあります。
そこで、鬼子母神とザクロの関係についてまとめてみました。また、鬼子母神はなんの神様なのか、人気のお守りやザクロの絵馬についてもご紹介します!
鬼子母神とザクロってどんな関係があるの?
鬼子母神は、天女のように美しく、子を1人抱きかかえ、右手にはザクロを持つ姿をした描写が多いです。
このザクロは、実際は「吉祥果(きちじょうか)」と言う果実だそうです。
吉祥果は、魔を払う果実と言われています。
インドの仏典が中国に伝わった際に、当時の中国人たちは「吉祥果とはどういう果物なのか」ということがわからなかったそうです。
そこで、見たこともない「吉祥果」の代わりになったのが「ザクロ」だと言われています。
鬼子母神は安産・子育ての神として信仰されていて、日本の多くの鬼子母神を祀っているお寺では、「ザクロの木」を植えています。
ザクロの実には、たくさんの種が含まれており、昔の人はザクロを「子宝と豊穣」の象徴と考えたからだそうです。
また、500人もの子宝に恵まれた鬼子母神を象徴するという意味でも、ザクロが吉祥果であることに異論を唱える人がいなかったためとも言われています。
鬼子母神ってどうして安産や子育ての神様なのですか?
鬼子母神は、美しい女神様なのですが、500人というたくさんの子供が彼女にはいました。
でも鬼子母神の性質は人間の子供をさらっては食べてしまうという恐ろしいものでした。
人間の親達は我が子をさらわれる恐怖から、お釈迦様にそのことを相談しました。
そこで、お釈迦様は鬼子母神が一番可愛がっていた末の子供を隠すことにしました。
七日間我が子を探し求めたが見つからなかった鬼子母神は、お釈迦様にすがりつきます。
すると、お釈迦様は、「どうして500人のうち一人の子を失ったことで、お前は苦しむのか。
たった数人しかいない我が子をお前に奪われ、食われてしまった親の気持ちが今ならわかるのではないか。
命の重さは人も神も同じ。
我が子を思う気持ちは人も神も同じ。
もう二度と人の子をさらわないなら、お前の子も返してやろう。
」と言って、鬼子母神を戒めたそうです。
以来、鬼子母神はお釈迦様の教えを受け、改心し、仏教・法華経と子供を守るための善い神様となりました。
今では、日本でも子授かり、安産、子育ての神様としてお祀りしています。
鬼子母神は絵馬やお守りも人気です!
日本では、安産祈願や子宝祈願、お子さんの健やかな成長を願うために、鬼子母神の祀られているお寺を訪れるご夫婦が多いと言われています。
雑司ヶ谷の鬼子母神では、お参りのあと、皆さん、可愛らしいザクロのイラストが描かれた「ザクロの絵馬」に願いをしたためて奉納したり、自宅に持って帰ったりしています。
その他にも、安産祈願のお守りなども人気です。
また、近年は女性の晩婚化や男性不妊など様々な理由でなかなか子どもを授かることができないカップルも多います。
そこで、不妊治療を頑張るだけでなく、各地の鬼子母神様が祀られているお寺巡り(パワースポット巡り)をして、「子授け」を祈願されるそうです。
お参りの後、願いを込めて夫婦でお守りを購入し、あのザクロの絵馬に「子授け」の願いをしたためています。
お守りは赤色といったカラーだけでなく、男性も持ちやすい青色系のカラーのお守りの袋もあるため人気です。
願いが叶ったら、皆さん感謝の気持ちを伝えに訪れるそうで、お寺にはお礼の絵馬も飾られています。
まとめ
お釈迦様がおっしゃったように、子を想う気持ちは、人も神も動物も寸分違うことはありません。
一度は子を失いかけた鬼子母神だからこそ、子を慈しむ気持ちをどの神様よりも理解し、親達の心の支えになってくれるのではないでしょうか。