片栗粉って料理によく使いますけど、片栗粉の原料って何だかわかりませんよね。
また、片栗粉にはどんな特徴があるのでしょうか?
そのほか、片栗粉を使った料理のコツについてもご紹介します。
片栗粉の原料ってなに?
片栗粉の原料ってあらためて考えるとよくわからないですよね。
片栗粉はもともとはその名前のとおり、カタクリという植物から抽出されたデンプンのことです。
カタクリっていうのはユリ科の花の名前なんですけど、4月あたりに地面から10cm~15cmくらいのところで、薄紫の花を咲かせます。
江戸時代にも片栗粉は作られていましたが、カタクリから作られるデンプンはとても少量で、カタクリの花自体の数もかなり減少しています。天然記念物に指定されたり、絶滅の恐れがあるとも言われています。
そこでカタクリの代わりに使われるようになったのが、ジャガイモ(馬鈴薯:ばれいしょ)のデンプンです。
ジャガイモは明治以降北海道で大量生産されるようになったのですが、カタクリのデンプンと似た性質があったため、現在ではジャガイモのデンプンが片栗粉として使われるようになりました。
原料は変わったけど、「片栗粉」という名前はそのままだったんですね。
片栗粉ってどんな特徴があるの?
片栗粉にはグルテンが含まれていません。そのため揚げ物などの衣にすると小麦粉と比べてカリッとした食感になります。
グルテンていうのは、小麦粉のタンパク質のことです。粉に水を加えて練ったときに出てきます。弾力性や柔軟性、粘り気に影響します。
小麦粉が柔らかくしっとりした感じになるのに比べ、片栗粉はサクッ・カリッとした感じになります。
片栗粉はデンプンなので、水と合わさると、のり状のトロっとした状態になります。
よく「とろみ」って言われていますね。水で溶くだけでカンタンにとろ味がつき、色も透明、匂いも味も特に気になることはなく、料理にツヤが出てくるので中華料理などにもよく使われています。
冷めにくくなるので、熱を逃さず保温効果があります。そのため料理が保温された状態になります。
料理によって片栗粉を使うか、小麦粉を使うか、また場合によっては混ぜて使うこともあります。
食感などお好みに合わせて使うとより料理が美味しくなりますね。
片栗粉を料理で使うコツ
片栗粉を使った料理はいろいろあります。
片栗粉でとろみをつける場合は、前もって水で溶いておきましょう。片栗粉1に対して水2で溶きます。
水に溶かして使うので、水溶き片栗粉といいます。
ほとんどの場合、最後の仕上げに加えます。
使う直前に水溶き片栗粉を作るとムラになったり、ダマができたりしてしまうので、30分くらい前に作っておきましょう。
片栗粉は水に溶けにくいという性質があります。水にしばらく付けておくことで、片栗粉がより水に溶けていきます。
十分溶けていないと、ムラやダマになる原因になります。
入れる直前には、しっかりかき混ぜて濃度を均一にします。
水溶き片栗粉にもきちんと火が通るように料理が十分に加熱され沸騰した状態になったら一旦火を止めます。
おたまなどで水溶き片栗粉を少しずつ「の」の字を書くように全体に行き渡るよう回しながら入れていきます。
その後は、火を止めたままにしてしまうのではなく、1分ほど中火で加熱します。これでデンプンからとろみ成分がより多く出てくるようになります。
まとめ
片栗粉は料理によく使いますが、とろみを付けたり、食感を調整したりと大活躍です。
しかし水溶き片栗粉など、ムラやダマ担ってしまうとせっかくの料理ももったいないですよね。
うまく使うことができれば、料理全体に光沢が出て、保温効果もあり、美味しくいただけます。また、唐揚げなど片栗粉や小麦粉を使い分けることで食感も変えることができます。
自分や作ってあげる相手の好みに合わせて片栗粉を使いこなせると料理の幅も広がりますね。