4月のカレンダーのところに「穀雨」と小さく書かれているものもあります。
漢字から見ると、穀物や雨といった天候に関係してそうなイメージですが、穀雨とはどういった意味があるのでしょうか?
また、穀雨の時期に迎える「八十八夜」について、穀雨の季節を表す七十二候についても見てみましょう。
穀雨とはどういう意味?
毎年4月20日頃が穀雨(こくう)となっています。日にちが固定されているのではなく20日頃となります。
二十四節気と言って、一年を24に分けて季節にかかわる名称がつけられているものです。
穀雨は二十四節気のうちの一つで6番目になります。
5:清明(4月4日頃)→6:穀雨(4月20日頃)→7:立夏(5月5日頃)と続きます。
また、4月20日頃から立夏(5月5日頃)の前日までの期間を穀雨ということもあります。
また、2月4日頃の立春(りっしゅん)から始まる春季の最後の節気となります。
春季:立春→雨水→啓蟄→春分→清明→穀雨
続いて「立夏」となり、夏季が始まることになります。
穀雨というのは、穀物の生長を助ける雨のことです。春雨の降ったことで、田んぼや畑が潤ってくるので、種をまく環境が整ってきます。
日差しも強まり、天気も安定してくるので農作業をする人にとっては、この時期に種まきをするための目安となっています。
また、この時期の雨は、あらゆる穀物を潤し目を出させ、生長させてくれる恵みの雨となるため、この時期の雨は「百穀春雨」と言われています。
この穀雨の期間の終わり頃には八十八夜を迎えます。
穀雨と八十八夜
穀雨の時期には八十八夜(5月2日頃)を迎えます。
「八十八夜」というのは何が八十八夜かというと、「立春」(2月4日頃)から数えて八十八日目という意味です。
「夏も近づく八十八夜~」
という茶摘みの歌として歌われているように、わずか数日で穀雨の次の「立夏」となり、夏季に移ります。
この「八十八夜」というのは、二十四節気とはまた別の「雑節」というものになります。
二十四節気自体は中国より来たもので、日本の気候とは若干ズレがあります。そこで利用されているのが雑節です。
雑節は、日本の季節の変化・移り変りを、より的確にあらわされていて、農業に携わる人達の目安となり、二十四節気の補助となるように作られた日本独自の暦です
八十八夜のこの時期には茶摘が盛んになります。
この日に摘んだ茶の葉は大切なものとして扱われました。また、このお茶を飲むと無病息災で、長生きするともいわれています。
穀雨の七十二候
七十二候は、二十四節気のそれぞれを約5日ずつ「初候」「次候」「末候」の3つに分けた期間で、それぞれの期間がどんな季節なのかを表します。
初候:葭始生(あしはじめてしょうず)
水辺の葦が芽を吹き始める
次候:霜止出苗(しもやんでなえいづる)
暖かくなり霜が降りなくなり、稲の苗がすくすくと生長する
末候:牡丹華(ぼたんはなさく)
百花の王といわれる牡丹が、大きな花を咲かせる
まとめ
穀雨とは二十四節気のうちの一つで6番目になります。
毎年4月20日頃が穀雨になります。
この穀雨は春季の最後となり、次の立夏(5月5日頃)からは、夏季となります。
穀物の生長を助ける雨という意味で、この時期には春雨が降り、種をまくのによい気候となります。
この時期に「八十八夜」を迎えます。
穀雨を聞いたことがなくても、八十八夜は多くの人が、聞き覚えのある言葉です。
八十八夜は、二十四節気とは違います。雑節と言って、日本の季節をより的確にあらわしたものになるので、農業に携わる人たちの目安になっています。
八十八夜のころは茶摘みが盛んになります。
穀雨とは春の雨が降り、農業に携わる人たちにとっては、田畑の準備が整う大事な時期なんですね。